にじめめ

平成21年、23年、令和元年生まれの、年の差兄弟の育児&主婦の日常

祖母が亡くなった 祖母が教えてくれた3つのこと

喪失感の原因は祖母の死がありました。

覚悟していてもこのくらいショックなんだから人の死というのは重い。

人生経験を30数年してきたけど、まだ慣れない。

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ばーちゃんが亡くなるまでの1年半

きっかけは、低血糖を起こしたことによる意識不明で施設から運ばれた。

施設にお世話になった理由は、痴呆症を患ってしまったばーちゃんに、脳血管障害を患ってしまった母にとってはこうするしかない選択だった。

要は、介護できる人間がいなかったということ。

それでも施設は近所にだったし、頻繁に会っていたから寂しいこともなかったけど。

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低血糖といっても、危ないレベルで昏睡状態。

いつどうなってもおかしくない状態だった。

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それからはずーっと寝たきり。

意識レベルは上がってきて、しゃべれないけどこちらの言葉はわかるようで、時にはっきりと「はい」といって微笑んでくれたり、帰るときには泣くような表情をすることもしばしばだった。

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1年半の入院生活で、”危篤”だといわれる状態がおきたのは4回もあった。

その度に母や叔父が病院に泊まったり、会わせたい人を呼び寄せたり。

仕事などの調整もはかったりしてきた。

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だけど、ばーちゃんは死ななかった。

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教えてくれたこと? 生きているうちに会うこと

1年半の時間をくれたのは、ばーちゃんが生きているうちに人には会っておくことを教えてくれた。

ばーちゃんは、辛い入院生活だったろうにこんなに生きてくれた。

だから私たち家族はたくさんの時間をばーちゃんと過ごすことができた。

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もし、あっという間に死んでしまったらきっと後悔の毎日を送っていてとてもじゃないけど普通には生活できていなかったと思う。

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そして、人は必ずこうなる日が来るということを私は知った。

遅かれ早かれ人間は最後に死ぬ。

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生きているうちに会うという事はどれほど大切な事か。

生きているうちに感謝を伝えられるというのはどれほど大切な事か。

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私は4回もばーちゃんと離れるかもしれないという時間を経験することができた。

だから4回もばーちゃんにお別れをすることが出来たし、その倍以上に感謝の気持ちを”生きているうちに”伝えることが出来た。

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明日、大切な人がいなくなるかもしれないとあなたは想像できますか?

明日、大切な人が昏睡状態になって会話すらできなくなることを想像できますか?

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今日、生きている大切な人に感謝の気持ちを伝えることを教わり、今日会える人には今日会うことを教えてくれました。

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教えてくれたこと? 人によくしておくこと

ばーちゃんは、昔とっても苦労した人でした。(そう聞きました)

だけど、人にはよくしてきた人でした。

人の悪口は”絶対に”言わない人でした。

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そして、たくさんの人のお世話をしてきたんだって。

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めちゃくちゃ人のためにお金を遣う人でもあったんだよ。

たぶん渡してきたお金を貯金していたら、今頃は家一軒建ってるだろうね。って笑い話もしたくらい。

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人によくしているばーちゃんだから、たくさんの人がばーちゃんに感謝をしてくれた。

入院している1年半、母は毎日看病していたけど病室で一人きりになる日は一日たりともなかったんだ。

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”ありがとうございます”

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これがばーちゃんの口癖だった。

私がカチン!と来ることでも「そう、言うもんじゃない!」って怒られた。

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ばーちゃんは、仏さまだったんじゃないだろうか。

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人によくすることは損にはならない。

そんなことを教えてくれたんだ。?

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教えてくれたこと? 死ぬのは怖くないということ

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2:43 母からの電話が来た

「今、病院から電話がきた!言ってくる」

この日は不思議と、この電話の前からなんだか眠れなくて起きていたの。

だから電話が鳴って2コールで取った。

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私は父方の祖母が亡くなるその瞬間に立ち会う事ができて、それはそれはつらかった。

心臓マッサージをして、口から大量に何かを吐き出して、心電図が”ピー”と音を立てる。

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あの光景がどうしてもトラウマで、死ぬその瞬間はとても怖いものだと思っていた。

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今回、病院に最初についたのはなんと私だった。

病院の玄関に入ってから「私が看取るの?」と、怖くなって足が止まった・・・(情けない)

そしたら、父と母が来た。

私はちょっとホッとして3人で病室へ向かった。

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”間に合わなかった・・・・・”

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もう、息を引き取ったあとだった。

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まだ暖かい手をひたすら握る、

この暖かさに間に合えだだけでも良かった。

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その光景は、看護師さんが一人。心電図は音もならずに赤く”0”の数字。

ふと見ると、ただ寝ているばーちゃん。

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なんにも苦しさもない。

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死んでいることですら信じられない。

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「うそだよねぇ?」

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こんな言葉とともに、気づけば涙を流して感謝の言葉をたくさん言っている自分がいた。

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あれ?死ぬときって、お医者さんや看護師さんが汗だくになってバタバタとしているんじゃないの?みんな怖い顔しててきぱきと・・・

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そんなのが一切なく、看護師さんが優しく・・・

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「2:30頃から、だんだんと心拍が下がっていきました。苦しまずに眠るように逝かれました」

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良かった・・・・

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苦しくなかったんだ・・・・

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心の中で何かがスッと落ちた感じがした。

これで「終わった・・・」と。

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死ぬって怖くなかったんだ。

ただ眠ることなんだ。

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ばーちゃんは、死ぬことまで私に教えてくれたんだ。

自分の身を持って。私に伝えてくれた。

この怖がりな私に。

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なんて強いんだろう。私のばーちゃんは。

そして、自分の両親を看取るときもいつか来ることを、その時のことを練習させてくれたような気がした。

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ありがとう。

こんなことまで教えてくれたなんて。

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ばーちゃんが永遠に眠るその日に私はその場に行けたことを、ありがたく思い、幸せに思った。

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これで良かったんだと、なんだかスッキリしている自分がいて不思議だった。

だけど、それは一時に過ぎなかった。

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このあとに、ドンっと私に押し寄せるものがあるとは・・・・この時はわからなかった。

死はこわくない

死はこわくない

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